昔ながらの集落の共同墓地というのは、山を切り開いて開けた場所に作られていることが多いです。

この度お世話になったお客様の墓地も家の周辺ではありますが、例によってかなり山道を歩いてお参りする共同墓地でした。

途中、参道に天然の水路が横切っていたりしてグチョグチョになった泥水エリアがあったり、滑りやすい赤土の急な角度の上り坂があったりと、お水やお供え用の花や線香などを持って両手が塞がった状態では、疲れはもちろん危険が伴ってしまう状態になっていました。

本来なら毎日毎週、毎月欠かさずにご先祖様にごあいさつにお墓参りといきたいところですが、とてもそんな気持ちにはなれない共同墓地でした。

そういった経緯で、お家の隣の私有地へ墓地を新設していただくこととなりました。

墓地の移設計画は何年も前から取りかかっていたのですが、申請や当社のスケジュールの都合でかなりお待たせしてしまいました。申し訳ございません。

まず15基位の墓石を新墓地に降ろす為、参道を運搬車が安全にとれるよう、1日がかり重機で道を広げたり直したりする作業に取りかかりました。

写真は整備後で歩きやすそうですが、この奥にもさらに道は続いてきます。

以前にも何度か仕事をさせていただいている共同墓地ですが、やはり久しぶりに上がるときつい・・・。THE 山道を運搬車と共に登っていき、開けたところにかなりの数の個人墓があります。

家ごとに分かれてはいますが、民営墓地のように区画整理されているわけではなく、なんとなく集落の皆さんにはわかる境界がある共同墓地です。

作業前

施主様のご家庭では、墓地を引っ越される際にお骨や土だけでなく既存のお墓をどうするか悩まれました。処分するのか、新墓地に並べるのか、いろいろ考えられた結果、既存のお墓も新墓地へ全てお引越しという選択をされました。

ご家庭によって考え方は様々で、どれが正解かというのはございませんが、どうしたらいいのかわからないという際には、お寺さんにご相談してみたり、私どもの経験談など参考にしていただければと思います。

今回の施主様のケースですと、既存のお墓は全て一度当社へ持帰り洗浄や修復などをして、新墓石の後ろに台石から全て並べられました。

なので、こちらの墓地にあるお墓の全てを先ほどの山道を何往復もして、広いところで車両に積み込み、会社へ持帰りました。

お骨や土を掘り返し、綺麗に整地して完了です。

作業完了後

陥没や沈下の無いようしっかり機械で踏み固めておきました。

実はまだこちらの共同墓地とは別に、もう二箇所お墓が点在してしるそうなので、そちらのお墓も持帰りました。

一箇所は運搬車が近くまでいきましたが、もう一箇所は人が歩くのがやっとの山道で『担ぎ棒』と『背負子』を駆使して人海戦術を繰り広げました。

年に数回は活躍してくれるこちらの背負子ですが、昔ながらの木でできた背負子で、石を載せると結構きます。その日のよるは肩に謎の網目状の痣が浮かび上がるという代物です。

壊れたら登山用のアルミの背負子を買って欲しいなと思いながらも、私が入社して10数年以上壊れず現役で頑張ってくれています。

全てのお墓を当社に持帰ると次は新墓地の工事に取りかかりました。

新墓地作業前

お家のすぐ隣の土地を申請し、地目を墓地に変更しまして、新しい墓地を造成しました。

新墓地になる土地は全面肥土となっていたので、この上にお墓を置くとフカフカなので地盤を改良工事から進めていきます。

墓地になる部分の肥土は全て剥ぎ取り、割り栗や砕石を敷き詰め転圧し、更にその上にコンクリートで基礎を作ります。

外柵基礎コンクリ

そして外柵を据付て中荷を入れて、骨穴用のタメマスを入れて、お墓の基礎工事等したのですが、

なんと、そちらの工事の様子の写真が無い為、ここから一気にお墓の据付工事の様子へ飛んでいきます。

朝は霧に覆われていたので、石材をクランプで掴んで吊り上げる際は細心の注意をしながら作業をしていきました。

今回の据付工事は、車両の荷台に積んできたお墓をユニックで一段上にまず上げて、上で待ち受けているカニクレーンがそれを据付けるという作業工程でした。

既存の個人墓などが20基近くあったので一台では到底運びきれず4台に分散して現場まできました。

当日もクレーンで吊り上げたり、玉掛けしたりと忙しく、落ち着いて写真が撮れていませんので、西日の差す夕方の写真をご覧ください。

据付工事1日目

ひとまず一日目が完了しました。

二日目は外柵の前部分にバーナー仕上げの板石を貼っていきました。

貼り石作業

この板石部分が参拝する場所となります。

この作業と並行して兄が既存のお墓を台の上に固定してお墓は完成いたしました。

板石完成

その後別日に周りのコンクリート工事をさせていただき、参道にガードパイプを付けて、本日完全お引き渡しとなりました。

墓地周りコンクリート
ガードパイプ

完成

施主様も今まではなかなか簡単に行くことができなかったお墓参りだったが、これからは孫たちにも気軽にお参りしてもらえると喜んでいただけました。

お参りに行く頻度を増やしたいがお墓の場所で困っているなど、お墓のお引越しや新規造成などお考えでしたら、ぜひ岩岡石材へご相談ください。

お客様にとっての最良のお墓ライフをご提案し、ご一緒に創り上げていきましょう。

お墓のお手伝い、得意です。