新しいお墓が完成しました。
続いて今まで参っていたお墓の整理にはいりました。
お客様との打ち合せ段階では、墓地の引越しの際に今までのお墓をそのまま移設、というパターンも候補にありましたが、旧墓地が昔ながらの寺院墓地なので、とても通路が狭く人が通るのがやっとという場所もあった為、全て人力での作業となってしまいます。
私が正直に、
『どんなに養生をしたとしても、墓石を綺麗な状態のまま運べる自信がありません。
絶対に全てを傷つけないように墓石を運び出す手間と時間、それに伴う工事費用を考えたら、
石種によってはあまり変わらないお値段で新品の墓石を建てることもできます。』
と提案させていただき、旧墓石をお客様のご両親も生前あまり気に入られていなかった、ということも相まって
こちらの墓石は全て処分して、新墓地には新規墓石を制作することとなりました。
ぼったくりや、脅しではなく、そうなんです。墓石の引越しは大なり小なりリスクがあります。
墓石を据付ける際には、移設するとは思ってもいませんので少々の地震や地盤沈下にも耐えられるよう、一生懸命に接着しています。
それを無理矢理ひき剥がし解体するわけです。
慎重に丁寧に作業しても無理な力を加えるので一部欠けてしまうことがあります。
古くなり劣化した石となると尚更です。
話が逸れましたが、今回のケースは特にリスクがありました。
クレーンの付いた2tトラックは近くに乗り入れできず、墓地から200メートル離れた境内に軽トラを駐めることができましたが、そこまでは工事用一輪車がギリギリ通る程度。
ピラミッドをつくるように丸い木を下に敷き転がすか…
毛布でしっかりくるんで大玉転がしの要領で運び出すか…
どちらにしても人海戦術を余儀なくされます。
通路のガタガタ具合や、他の墓地のブロック塀の張り出し具合などを考慮しても、
やはり綺麗に運び出すことは残念ですが諦めていただくしか無かったように思います。
というわけで、旧墓地の石材及び骨穴のタメマスなどは全て処分して、
更地にする作業を2日かけて行いました。
墓石の頭部分の竿石や仏石と呼ばれる部分は当社で持帰り、永代供養いたします。
台石や灯籠などは今回は現場で人が持てる程度まで小さく砕いて、軽トラまで持って行くという方法で運び出しました。
台石など大きなものは、まずドリルで穴を開け、セリ矢と呼ばれる道具をせっとうで打ち込んでいきます。
こうして小さくしていった石材を持ったり、担いだりして運び出しました。
墓石だった石を運び出し、次は中にあった土を土嚢袋に入れて持ち出します。
すると出てきたのはコンクリートの巨大なタメマスです。
こんなに深いタメマスが埋めてあるのは私は初めて見ました。
お骨の混じった土も綺麗に取り出し、タメマスは割りながら撤去しました。
外柵も小さく割りながら持ち出し、持ってきた綺麗な真砂土を戻し入れ完了いたしました。
墓石の処分は、三次市の産業廃棄物中間処理業者様にて、しっかりと処分していただきます。
最後に壊れていたコンクリ-トの境界も修復して、無事寺院様へ返還いたしました。
寺院墓地や墓苑等は墓じまい後、元の持ち主に返還することが通例となっています。
今回はしっかり、墓地返還承諾書を施主様から寺院様へ送られているので安心です。
もし皆さまも似たような事例でお悩みごとがございましたら、岩岡石材へご相談ください。
お墓のお手伝い、得意です。